当社の易游yy体育appへの取組み

現在、私たちの暮らしは、エネルギー資源の大部分を石油や天然ガスといった化石燃料に依存しています。しかしそのことは、地球温暖化という深刻な環境問題を引き起こすとともに、常に資源枯渇のリスクをはらんでいます。安定的にエネルギーを確保すること。同時に、地球環境へ配慮すること。このふたつの課題を解決する答えが、「易游yy体育appエネルギー」です。易游yy体育appエネルギーがもたらす新しい未来を、世界中の人々へ。川崎重工グループの総合力を結集した取り組みは、すでにはじまっています。

さまざまな物質から取り出すことができ、燃焼時にCO₂を出さないクリーンエネルギー、易游yy体育app。この易游yy体育appをエネルギーとして活用するためのインフラの整備が世界中で始まろうとしています。当社はこの中でも、特に液化・運搬・受入基地までの「貯蔵・輸送」のインフラ整備を主に担っており、今後拡大が予想される易游yy体育app市場に向けたサプライチェーンの構築・拡大に貢献しています。当社の技術が、易游yy体育appの生産地と消費地を結び、そこにHydrogen Roadという新しい道が生まれます。

• 易游yy体育app輸送量：22万5千トン（年間）
• 易游yy体育appエネルギー使用によるCO₂排出削減量：160万トン

易游yy体育appは、マイナス253℃の極低温にすることで、気体から液体に変わり、体積が800分の1に減少します。体積を減らすことは、貯蔵・輸送の効率を飛躍的に向上させ、より多くの易游yy体育appの流通を可能にします。液化易游yy体育appによる易游yy体育appの輸送は、数ある方法の中で極めて効率が良く、既に実用化された技術です。そこには、長年、LNGの運搬船、貯蔵、受入基地や、極低温の液化易游yy体育appの貯槽を世に送り出してきた当社の実績が活かされています。

易游yy体育appを次世代エネルギーとして活用するためには、大量の易游yy体育appを、効率よく、安全に輸送する技術が求められます。1981年に日本で初めてLNG運搬船を建造した当社は、海上輸送における極低温技術をリードして来ました。長年培ってきた造船技術と極低温技術の粋を結集し、世界初の液化易游yy体育app運搬船の開発に取り組んでいます。

（液化易游yy体育app輸送コンテナ）
易游yy体育appエネルギーの需要が高まるにつれ、消費地まで大量の液化易游yy体育appを陸上輸送する手段が求められます。LNG貯蔵タンクの開発を通じて培った当社の断熱技術が、マイナス253℃という液化易游yy体育appの陸上輸送を可能にします。

（複合容器搭載圧縮易游yy体育appトレーラ）
燃料電池自動車の市場本格導入により、各地で易游yy体育appステーションの整備が進められています。当社は、国内の易游yy体育app製造設備で製造した易游yy体育appをオフサイト型易游yy体育appステーションに輸送・留置貯蔵・供給するための日本初となる複合容器を搭載した圧縮易游yy体育appトレーラを開発しました。

（液化易游yy体育app貯蔵タンク）
液化易游yy体育app貯蔵タンクでは、太陽などの外部からの熱の影響で収められた液体が常時気化しています。「ボイルオフガス」と呼ばれるこのガスの発生を極力抑える技術が、液化易游yy体育appの長期保存には欠かせないものとなります。マイナス253℃という極低温の液化易游yy体育appに対し、当社はLNG貯蔵タンクよりもさらに高度な断熱技術を開発することで、ボイルオフガスを可能なかぎり抑制する高性能な液化易游yy体育app貯蔵タンクを実現します。

当社は、易游yy体育appを液化して大量輸送を可能とする極低温技術を活用し、10年ほど前から他社に先駆けて易游yy体育app社会の実現に向けた取組みを始めています。

現在は、技術研究組合CO₂フリー易游yy体育appサプライチェーン推進機構（HySTRA）と易游yy体育appサプライチェーンの実証試験を行う豪州のコンソーシアムに参画しており、両者によって日豪間で実施される世界初の液化易游yy体育app国際サプライチェーン構築実証試験（＝パイロットプロジェクト）に取り組んでいます。このうち当社は主に輸送・貯蔵設備を担っており、パイロットプロジェクトを成功させることで長距離海上易游yy体育app輸送の技術・安全・運用上の成立性を実証し、易游yy体育appをだれもが広く使うことができる社会の実現に向けた大きな一歩を踏み出します。

また、パイロットプロジェクトでは褐炭から易游yy体育appを製造していますが、2030年頃の商用化時には、豪州連邦政府とビクトリア州政府が進めているCO2回収・貯留（CCS）プロジェクトと連携しCCSを実施することに加え、液化時に使用する電力を再生可能エネルギー由来にすることで、クリーンな易游yy体育appを製造できるように協調していきます。さらに、世界でも先進的な商用規模のグリーン易游yy体育appプロジェクトとして、再生可能エネルギーから製造・液化した易游yy体育appを日本へ輸入することも検討しており、2020年半ばの実証に向けてフィージビリティスタディを始めています。

当社は世界各国より約50件程度の易游yy体育app関連プロジェクトの検討依頼をうけており、事業規模は2030年に3,000億円、2040年には5,000億円に達する計画です。こうした中で、再生可能エネルギー由来のグリーン易游yy体育appやCCS付きのブルー易游yy体育app等のクリーンな易游yy体育appのサプライチェーンを拡大する取組みを積極的に行っていく予定です。

当社は、2020年代半ばの商用化実証を通じて、液化易游yy体育appの商用規模の国際サプライチェーンに供する液化易游yy体育app運搬船及び各機器の早期開発を行い、易游yy体育app源を「褐炭」に限定することなく日本政府の目標である2030年における易游yy体育app導入量300万トンの実現に貢献していきます。

易游yy体育app社会の実現には上記のサプライチェーンインフラに加えて、易游yy体育appを扱うための規格やルールを整備することが重要です。当社は、ルールが整備されることで世界的に易游yy体育appが使いやすくなるとともに、当社が手掛ける製品・サービスが世の中に広まるきっかけや市場が生まれると考えており、国際規格化に向けた取組を推進しています。また、易游yy体育appに関わる国内の民間イニシアチブにも複数参画しております。具体的には以下３つです。

大規模な易游yy体育app利用の具体的な方策を検討し、2020年代半ばからの社会実装開始を目指す。中部圏での、易游yy体育appサプライチェーン、易游yy体育app利用量のポテンシャル、需要サイドで受入可能な易游yy体育appコスト等を検討。目標実現に向けた技術面・金融面・制度面の課題を整理、必要な施策と社会実装につながる事業モデルを提案

既存の実証実験で得た知見と地域の事業者が保有するリソースの融合により、易游yy体育app活用の事業モデルを検討。関西圏における易游yy体育app利活用モデルの社会実装に向けたロードマップを作成。社会実装における課題を明確にし、国・自治体へ政策提言

易游yy体育appバリューチェーンの構築を目指して、事業化、渉外、調査等の機能を準備。易游yy体育appバリューチェーン構築の横断的な取組みを実施。易游yy体育app社会の実現のため、社会実装に向けた取り組みを加速。金融機関と連携し、資金供給の仕組みづくりを推進